『令和』の令は『令月』からの出典だけど意味はなに?
『令和』の『令』は、万葉集の梅花(うめのはな)の歌三十二首の序文、
『初春の令月にして、気淑(よ)く風和(やわら)ぎ』
の『令月』から出典したと説明されていました。
『令月(れいげつ)』という言葉自体、あまり聞いたことがないと思います。広辞苑によると『万事をなすのによい月。めでたい月』という意味なので、良い意味の言葉ですね。
安倍首相も記者会見で、
人々が美しく心を寄せ合う中で文化が生まれ育つという意味が込められている
と答えています。これは、現在の東アジア情勢を踏まえて、平和への願いが込められているように思えます。
『令和』を選んだ有識者のメンバーは誰?
『令和』に決めた人はダレ?
新しい元号を選ぶのは、安部首相以外に誰がいるんだろう?と思いませんでしたが?9名の選考委員は以下の有識者のみなさんでした。
有識者ってどんな人?
有識者とは、高い学問の知識や専門的な知識を持っている人のことです。
上田良一: NHK会長
大久保好男: 日本テレビ社長
鎌田薫: 前早稲田大総長
榊原定征: 前経団連会長
白石興二郎: 読売新聞グループ本社会長
寺田逸郎: 前最高裁長官
山中伸弥: 京都大iPS細胞研究所所長
林真理子: 作家
宮崎緑: 千葉商科大教授
万葉集から出典したということでしたが、古文、古典、漢文や歴史などの専門家が一人もいないのが意外でした。千葉商科大学の宮崎教授は、政治が専門のようですし、ips細胞の山中教授は物理ですしね。林真理子さんは直木賞の選考委員だから選ばれたのでしょうかね。
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『令和』以外の元号の候補
『平成』の時もそうでしたが、新しい元号が発表されると、そもそも元号はなじみのない言葉なので、違和感を持つ人が結構いるものです。『平成』の時も「覚えにくい」「ピンとこない」という声が多かったと記憶しています。
令和!?ピンとこないわ…
今回の『令和』も、賛否両論でしたね。
ですが、他の候補を知ると、『令和』が一番いいかな、と思いました。
以下が他の候補でしたが、いかがでしょうか?当て字っぽいし、読みにくいし、子供からお年寄りまでに馴染むかな・・・、って思いました。安倍首相は『令和』は候補からどうしても外すことができなかったので、最後まで残ったそうですよ。
万保:ばんぽう
万和:ばんな
広至:こうし
久化:きゅうか
英弘:えいこう
『令和』じゃないけどはカズレーサーの本名は『和令』
他の候補に比べると、「覚えやすいかも」と思いましたが、最初に『レイワ』と聞いた時、漢字が思い浮かびませんでした。
『令和』と書いて『よしかず』や『のりかず』と読ませる人が全国各地に意外といたからです。
『令和』さんって名前の人は意外といるのね!
しかも、カズレーサーの本名が『和令』で『かずのり』と読むと話題になり、びっくりしましたとコメントが出ているのを見て、更に驚きました。
一生に一度有るか無いか、多分無いであろうニアピン pic.twitter.com/NLn1LNHz9O
— カズレーザー (@kazlasersub) April 1, 2019
『令和』の英語表記は『L』『R』のどっち?
元号はローマ字の一文字で省略されますが、『令和』の英語表記は、『L』と『R』のどちらになるのか気になりますよね?
国の公文書はヘボン式ローマ字で表記するため『Reiaw』の綴りになるので、『R』と表記されるようになります。
これからは、生年月日の欄は、M(明治)・T(大正)・S(昭和)・H(平成)・R(令和)となります。
『令』の正しい書き方って?最後は『マ』でもいいの?
さて『令』という字ですが、手書きで書く時、中の部分を『マ』と書く人いませんか?今後使っていくにあたってどちらが正しいのか気になり調べてみました。
正しい書き方は、どっちでもいいみたいです。
書体によって違ってくるようで、教科書体や楷書体、行書体では、中が『マ』のようになりますが、明朝体やゴシック体では『令』このようになります。しかも、五画目は、止めでもはらいでもよいそうです。
『令』の字が二種類できたわけ
『令』の字のまんなかには、『刀』に似た時とカタカナの『マ』の字の二通りあり、どちらを使っても大丈夫なわけですが、なぜ二種類あるのか不思議ですよね?
『マ』の方が略字で後からできたのかな、と思いがちですが、実は、『マ』の方が先だったのです。
その後、刀に似た『令』が登場したわけですが、きっかけは木版印刷でした。
刀の令は掘りやすいようにアレンジされた文字というわけです。
明の王朝時代に作られたので明朝体と呼ばれています。
今では、PCで書類を作るとき、明朝体を使うことが多いですが、象形文字が彫りにくいという理由で明朝体のバージョンができた字もあるとはちょっとしたおどろきですよね。
『令』以外にも、象形文字のしんにょうは掘りにくかったので、明朝体バージョンのしんにょうが登場しました。しんにょうのある字の例で『道』をとりあげてみました。向かって左が象形文字で、右が彫りやすくアレンジされた明朝体です。もちろん、どちらの『道』の字を使っても大丈夫です。
万葉集が書かれた時ってどんな時代
万葉集が書かれた西暦663年、日本は唐や新羅の連合軍と戦い敗れます。日本は百済を助けるために戦ったのに国家存亡の危機になり、国土防衛のために多くの若者が、現在の九州北部に関東地方から派遣されました。『防人』と呼ばれる人々でした。
そして、役目が終わる旧暦の天平2年9月、大宰府が『防人』を統括しました。そこで穏やかで文化豊かな沿海が開かれました。その時の様子がこの歌から少し垣間見れる気がします。
まとめ
2019年4月1日(月)午前11時40分頃、菅官房長官より、新元号が発表になりました。2019年5月1日より元号が『令和』にかわります。
その『令和』は万葉集から出典されており、『初春の令月にして、気淑(よ)く風和(やわら)ぎ』という歌の序文よりとられています。
安倍総理も『人々が美しく心を寄せ合う中で、文化が生まれ育つ。梅の花のように、日本人が明日への希望を咲かせる国でありますように』と思いを込めたとコメントされました。
平和で幸せな時代になっていってほしいですよね。
『令和』と書く名前の方も多いようで、さまざまなお店で特典などを受けたりしているようです^^
そして、パソコンの明朝体やゴシック体では『令』とでてきますが、手書きなどで中の部分を『マ』と書く人もきっと多いはず。
くずして書いてしまってもどっちも正解とのことなので、安心して使っていきたいですね。
『マ』をくずして書く人がいるように、『レイワ』の発音も短くして『レーワ』と言う人が増えそうだな、とも思います。日本人は略すのが得意ですからね。