ビジネスマナーとして知っておきたい『検収』の使い方

 

検収(けんしゅう)とは、お取引様からご注文をいただいた納品物を収めて、注文時の納期・数量・仕様・品質状態を検査して確認し、お取引先様に受け取っていただくことです。

 

一言で言うと検査して収めることです。

 

一般的には、納品された品物に対して、発注時の内容(数量・品質)が一致しているか否かを、発注書・納品書と照合して確認することです。

 

検収することで、発注と納品された内容が確認できますので、もし違っている場合は、検収不合格になり、全品の再納品や検収に合格した納品物を収めて不合格品を改めて再納品することになります。

 

検収をおこなうことで、発注先への支払いをすることになりますので、大切な作業になりますし、アルバイト従業員でも任されることがあります。

 

検収には、一般的な物品の検収とIT業界で使用される検収があります。

 

一般的な検収は、納品物が製品・部品・半製品などの形がありますので検査確認が可能ですし、IT業界での検収は、納品物がハードウエア(情報機器)の場合も形がありますので、検査確認が可能です。

 

ですが、納品物がソフトウエア・アプリケーションは形がありませんので、簡単に検査確認ができません。

 

これから一般的な検収とIT業界の検収の方法を説明しますね。

 

一般的な検収

 

検収

 

一般的な検収の流れは、お取引様からの注文品を納期までに収めます。

 

収めることを「納品」と言います。

 

  • 納品された物品を発注書に記載されている納期を守っているか?
  • 発注数量と納品数量と合致しているか?
  • 発注時の仕様通りに納品されているか?
  • 品質に問題がないか?

 

を確認して、全て条件に合致すると検収完了になり、発注先への代金の支払手続きをすすめます。

 

注意すべき点は「納品」しただけでは代金支払いは発生しません。

 

検収をすることで代金支払いをおこないます。

 

IT業界の検収

 

IT業界の検収は、お取引様から発注されたソフトウエア・アプリケーションが納期と仕様通りに納品されていること確認します。

 

ソフトウエア・アプリケーションは形がありませんよね。

 

ですので、納品物をお取引先様が動作確認を実施します。

 

発注時の仕様と納品されたソフトウエア・アプリケーションの仕様確認は、専門部門が時間を掛けて実施します。

 

少しのミスでも許されませんし、ミスがあった場合は改修して再納品します。

 

全てが仕様通りに動作の確認が済めば検収完了となり、代金の支払いを行います。

 

なお、システムトラブルは検収後に発覚するケースがあります。

 

2002年に第一勧業銀行・富士銀行・日本興業銀行が合併して、コンピュータ基幹システムを統合した際に口座振替が停止する事故が発生しました。

 

2018年1月には、仮想通貨取引所のコインチェック社のシステムに不正侵入があり580億円が流出する事故がありました。

 

IT業界は、お取引先様へ検収が完了した後にシステムトラブルが発生するリスクがあります。

 

契約時する際に、検収後1ヶ月~3ヶ月様子を見てから支払いを実行するか、検収時点で納品物の支払いをして、その後はサポート契約をしてトラブル対応を請け負うケースがあります

 


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検収の意味と例文

 

検収は、納品された物品を納期・数量・仕様・品質状態を確認・点検して受け取ることです。

 

受け取るだけに動作は「納品」と言います。

 

受け取った物品に発注書に記載されている内容と間違いが無いか確認して受け取ることです。

 

検収の『検』は取り調べる意味があります。注文した商品と納品された商品に間違いが無いかよく調べることの意味で使われています。

 

検収の『収』はおさめる意味があります。注文した商品と納品された商品に間違いが無いかよく調べてから収めることの意味で使われています。

 

検収を使用した文例を紹介します。

 

「◯月△日に納品を完了いたしましたので、検収の実施をお願い申し上げます。」

 

「お品物とご一緒に検収書を同封しております。お忙しい中恐縮でございますが、ご確認の上、検収の実施をお願い申し上げます。」などです。

 

 

『検収』を使わない言い方

 

検収の単語の同義語は、「査収」「ご査収」「確認」「ご確認」「拝見」「拝受」などです。

 

中でも「査収」「ご査収」の単語をよく使用します。

 

「査収」とは、金額・物品・書類などの納品物をよく調べて受け取ることです。

 

査収の『査』は調べて理解するという意味があり、『収』は収める、受け取るという意味があります。

 

検収以外の単語を使用した文例を紹介します。

 

  • ご査収くださいますよう、お願い申し上げます。
  • ご査収いただきますよう、お願い申し上げます。
  • ご査収いただければ幸いです。何卒よろしくお願い申し上げます。
  • 添付ファイルを確認し、拝受いたしました。
  • ご報告いただきありがとうございます。受領し内容を確認いたしました。
  • ご査収のほど、何卒よろしくお願いいたします。
  • ご査収いただければ幸いです。
  • ご査収の上お取り計らいのほど、何卒よろしくお願い申し上げます。

 

などがあります。

 

最後に

 

「検収」「査収」は、納品物を検査・点検して収めることです。

 

「検収」「査収」もビジネス文書で頻繁に使用する単語です。

 

どちらを使用しても構いませんが、就業先の企業で引き継がれて使用しているビジネス文書があるはずですので、社内で使用している文書に従って使用することをおすすめします。

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