十五夜と聞くと満月だとイメージしていましたか?
実は十五夜は満月ではありません。
どういうこと!?
十五夜を満月だとイメージしていた方に、十五夜と満月の違いについて書いていくことにします。
また、十五夜といえば、ススキとお団子がつきものですよね。
どうしてすすきなのか?不思議に思ったことはありませんか?
さらに、お供えしたお団子は気にせず毎年食べていると思いますが、実は、嫁入り前の女性は食べてはいけない言い伝えがあります。
それらの理由についても紹介していきますね。
「五夜と満月の違い」を簡単に説明
月の満ち欠けを基準とした暦を「太陰暦(たいいんれき)と言います。
私達が現在使用しているのは「太陽暦(たいようれき)」で、地球が太陽を1周すると1年で、その1年は365.2422日となっています。
太陰暦では、新月を1日目として数えはじめます。
太陰暦では1月〜3月は春、4〜6月を夏、7〜9月を秋、10〜12月を冬としていました。
春:1~3月夏:4~6月
秋:7~9月
冬:10~12月
7、8、9月の真ん中にある8月15日を「中秋(ちゅうしゅう)」と言います。
「中秋の名月」とは太陰暦で8月15日なんです。
そうです、1年に一度しかありません。
実は、十五夜は太陰暦の毎月の15日の夜のことを指しています。
「満月」は毎月あり、今月の満月から来月の満月まで29.53日なのでズレがありますね。
私達が現在使用している太陽暦ですが、明治6年に導入されました。
旧暦である太陰暦は、先ほど述べましたが、月の満ち欠けを基準とした暦です。
この太陰暦は太陽暦と違い、新月の日が各月のはじまりである1日となり、次の新月で次の月がはじまります。
新月は月齢0日で見えず、ここから月が満ちていきます。
十五夜は満月とは限らない
先ほど述べましたが、十五夜は太陰暦の15日の夜のことを言います。
十五夜が満月だとイメージされていたのは、その昔に今でいう天分学が未発達だった時代に、太陰暦の15日の夜が由来とされていました。
昔は太陰暦で日付を決めていたので、3日には三日月、15日には満月になり十五夜そのものだったわけです。
しかし現在は太陽暦で日付が決まりますから、ほとんど満月くらいの日とされていて、必ずしも満月とは限りません。
この、ほとんど満月というハッキリとしない日付の理由は、月の周期と関係があります。
月の周期は、新月から新月までの約29.5日で、1か月の30日よりも短くなっています。
そのため、ズレが出てくるので十五夜は満月とは限らないわけです。
ちなみに仲秋(ちゅうしゅう)という言葉がありますが、7月は初秋、8月が仲秋 、9月を晩秋と表現していました。
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十五夜に関する疑問を解決
十五夜といえば、お団子とススキを用意してお月見をするのが一般的ですよね。
また、「お月様へのお供え物は女性は食べてはいけない」という言い伝えがあります。
それらについて説明していきます。
十五夜にススキを飾る理由
ススキを飾る意味は、切り口が鋭く魔除けになると考えられていました。
十五夜は、まだ稲穂が実っていないため、その代わりとしてススキを稲穂に見立てたところからきています。
十五夜にお供え物をする理由
昔は、豊作祈願や収穫への感謝に満月に似た丸い団子や、その年にとれた作物とくに里芋などをお供えしたのです。
今でも地域により、さつまいもや里芋をお供えする場合もあります。
お供え物を食べるの?と不思議に思いますが、お月見の場合は、お供え物を食べることで1年間健康に幸せに過ごせると考えられているため食べても大丈夫なのです。
お月見のお供え物を女性が食べてはいけない理由
ただし、「お月見のお供え物を女性は食べてはいけない」という言い伝えが残っている地域もあります。
正しくは、女性ではなく嫁入り前の女性です。
食べてはいけない理由ですが諸説あり、お供え物の丸い形が妊娠を連想させるようでどれも妊娠に関連した理由です。
- 結婚前に妊娠してしまうから
- 15人も子供を産むことになるから
- 難産になるから
今では「さずかり婚」といい、妊娠を機に結婚をされる女性もいますが、昔は結婚前に妊娠することはタブーだったため説得力がありますね。
15人も子供を産むと大変ですし難産も困りますよね。
どれが正解なのかはわかりませんが、どの理由もなるほどと思えます。
今でもその風習が残っている地域では、祖母や母から食べてはいけないと幼い頃から教わっていることでしょう。
家族の年長者からなにも言われないのであれば食べても大丈夫としましょう。
まとめ
十五夜と満月の違いと十五夜に関連した疑問のまとめでした。
十五夜は、新月から15日目なので限りなく満月に近いことは確かですね。
秋に見る月は1年で最も美しいと言われております。
昔は電気がありませんでしたから、暗い夜道は月明りが大切だったので、お月様に対する感謝の気持ちが強かったことでしょうね。
また、現在は、スーパーやコンビニに行けばいつでもなんでも買える時代ですが、十五夜には美しい月を見ながら食べ物にも感謝したいですね。
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