子供の頃は、歯の治療といえば虫歯が主ですが、年齢を重ねると歯周病(ししゅうびょう)で悩む人が増えてきます。
マメに歯磨きをしていても歯周病になることもあり、放置しておくと歯を失うことにもなります。
また、歯が抜けることで痴呆症になる確率が跳ね上がるといわれています。
歯周病って怖いんです。
糖尿病の合併症を引き起こしたり、心筋梗塞の引き金になったり、動脈硬化になることもあるのです。
3カ月に一度は歯医者に行き、歯石クリーニングをしましょう。と聞いたことがあると思いますが、実際に定期的にメンテナンスをしている方は少ないと思います。
歯医者って痛いイメージがあるので、歯に痛みがあっても行かない人もいるくらいですしね。
ですが、痛くなる、ならないに関係なく、定期的に歯医者でメンテナンスをすることをおすすめします。
また、歯周病にならないようになるべく自分でケアすることも大切です。
歯周病になる原因と予防について書いていきます。
歯周病の原因と治療方
「歯周病(ししゅうびょう)」は、細菌の感染が原因で発症する炎症性疾患です。
口腔内の細菌は300種類~500種類の細菌が常駐しています。
常駐している細菌は悪玉ではありませんが、歯磨き時のブラッシングが不十分のケースや砂糖類を過剰に摂取すると変異します。
細菌が変異すると「ネバネバ」物質を作り出し、その物質が歯の表面に付着します。歯の表面に付着した物質は歯垢(プラーク)と呼ばれます。
粘着性が強固で口腔をすすぐ・うがいをした程度では落とせません。
付着した歯垢(プラーク)内の細菌が歯肉を痛めつけて炎症を引き起こします。
その炎症が進行すると歯を支えている骨を溶かしていきます。その結果、支える骨が減少することにより歯が抜け落ちるのです。
歯垢(プラーク)を放置しておくと硬化していきます。硬化すると歯石に変異して歯の表面にこびり付きます。
歯石に至ると歯磨きによるブラッシングでは除去できません。歯石の内部や周囲に細菌を入り込み、歯周病を進行する毒性物質を放出し続けます。
歯周病・虫歯を引き起こす原因になる食材と生活習慣について説明していきます。
歯周病の原因
甘味類
甘い糖分を多く含んだチョコレート・キャラメル・ケーキのお菓子類や甘味の強いジュース類を多く摂取は歯周病の原因となります。
缶コーヒーなどの甘味のあるドリンク類は要注意で、糖分入りの商品には角砂糖5個分の甘味が含まれています。
柑橘系果物の摂取
オレンジ・レモン・グレープフルーツなどの柑橘系果物には、強い酸が含まれています。その酸性物質が歯の表面を溶かす作用があります。
生活習慣によるケース
1.歯ぎしり・食いしばり・噛み締め
無意識に行っていると上下の歯の圧着と歯茎を痛めつけて歯が割れやすくなります。
2.不適合な義歯・治療
自分自身の口腔形状から外れる義歯や歯の高さが均等ではない被せものはNGです。
3.不規則な食習慣
ジャンクフードを多く摂取すると発症の要因が増します。
4.喫煙
歯垢にヤニを付着させ歯周病を進行される要因です。
5.過度なストレス
ストレスにより自律神経が過剰に反応することで、発症の要因が増します。
6.全身の疾患に罹患した方
糖尿病・骨粗鬆症・ホルモン異常の疾病を罹患した方が、発症の要因が増します。
7.内服薬の長期服用
前記「6」の疾病罹患者は長期に渡る内服薬を服用します。糖尿病・骨粗鬆症は完治しないので一生涯服用します。服用は口腔内に悪影響を及ぼす可能性が大きくなります。
歯周病の予防方法
甘いものを飲んだり食べた後は可能であれば歯磨きをし、できないのであれば、せめて口をすすぎましょう。
詰め物の高さが合わないなど、歯医者さんで治療できる予防は早目に歯科医を訪れることです。
歯ぎしりをする人はご自分の犬歯を見てください。犬歯は歯列矯正をする際にも抜かないほど大切な役割があります。
犬歯は奥歯が直接かみ合うのを防ぎ、はぎしりを防止しているのです。
私は歯並びが悪かったため、歯科医に犬歯の抜歯を進められ抜いてしまった後、矯正の歯科医から「どうして抜いてしまったのですか!」とかなり怒られたほどです。
はぎしりをする人は、犬歯が正しく働いていないかもしれませんので、歯医者で確認してみてください。
犬歯(糸切り歯)を伸ばすことで、対策することができます。
実際、ホリエモン(堀江貴文)さんは、犬歯が丸かったため、歯医者で歯の詰め物に使うプラスチックのレンジというものを犬歯に付けていただいたと語っていました。
ホリエモンさんの祖父は50代で総入れ歯になったそうで、身近で歯を失った人を見て、ケアの重要性を実感したのではないでしょうか。
歯石は自分でのケアでは限界がありますので、3カ月に1度は歯医者さんでメンテナンスをすることです。
歯周病の治し方
「歯周病」に罹患したら治療できるのでしょうか?20年前は「不治の病」とされましたが、現在の医療技術の進歩で、予防と治療が可能になりました。
重要なことは歯周病にならない予防と、早期診断・治療・継続的なメインテナンスが必要です。
「歯周病」の原因は歯垢(プラーク)です。歯垢を付けない・増やさないことです。
「歯周病」予防策は、正しい歯のブラッシングを毎日実施することです。歯の表面を歯垢が無い清潔な状態を保持することが重要です。
「歯周病」になったら治療が必要です。
- 肉の中まで入った歯石を除去する治療。
- 歯根の表面を滑らかにして炎症を起こす細菌の除去治療。
- 病んだ歯肉・骨を治療して健康な状態に近づける。
- 口腔内の健康を維持するために、歯科医師・歯科衛生士による専門的なメインテナンスと口腔内クリーニングを定期的に実施して再発を抑止。
歯周病になりにくい食べ物
歯周病の原因の一つに、チョコレートなどの甘い物を多く食べるとなりやすい、と書きましたが、歯周病になりにくい食べ物について紹介します。
根生姜
根生姜は抗菌効果と抗炎症作用があります。
歯茎の炎症を防ぐ効果と口腔内の健康を促進してくれます。
林檎
「林檎」1個を食するには時間と咀嚼回数を要します。
咀嚼回数が増加することで、歯茎と歯に付着した歯垢(プラーク)を取り除く浄化作用を促進します。しかし「林檎」は柑橘系で酸を含みますので、食後に口をすすぎましょう。
牛乳
牛乳・乳製品は骨を健康にするカルシウムの他に、カゼインと言う乳タンパク質が含まれています。カゼイン・タンパク質が口腔内の酸性度を下げる効果があります。牛乳が苦手な方は、ヨーグルトやチーズを食して代用しましょう。
沢山の野菜を摂取
多くの野菜には食物繊維が含まれています。根菜類野菜などは、咀嚼回数が多くなります。咀嚼回数が多くなることは唾液の分泌を促進させます。唾液には口腔粘膜を保護する効果があります。
生玉葱
生玉葱には抗菌成分が含まれています。口腔内の細菌を殺菌する効果があります。生玉葱だけを食することは難しいので、薄切り・細長にカットしてサラダ・サンドイッチ・バーガーに挟んで食しましょう。
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最後に
「歯周病」は甘味の摂取後の口腔内ケアの怠り・柑橘系果物摂取後の口腔内ケアの怠りが原因です。
また、喫煙者・歯並びや噛み合わせが悪い方・歯軋りをする方・食いしばりをする方は歯周病になりやすいです。
食後の口腔内ケアと禁煙はセルフケアが可能ですが、歯並び・噛み合わせが悪い方や歯軋り・食いしばりをする方はセルフケアができませでん。
できるだけ早くに診療を受け・治療することが重要です。人生80年から100年の時代です。自分の歯を大切にしましょう。