お正月になると門や玄関先に「門松」を見かけますよね。
昔からの風習なので、お正月は「門松を玄関に飾るもの」と当然のように思いがちですが、なぜ「門松」を飾るのか不思議に思ったことはありませんか?
・なぜ竹が3本?
・竹の切り口が斜めな理由
など「門松」についての疑問を解説しています。
門松を飾る意味がわからないなど、あなたが『門松』について疑問をお持ちなら是非お読みください!
門松を飾る意味を知ると飾りたくなる!
お正月に「門松」を玄関や門に飾る意味は、「年神様(としがみさま)」をお迎えするための目印になるからです。
「年神様」は今年1年の幸福をもたらたすために、それぞれのお宅を訪れます。自分の家に「年神様」が来てくれるように、「松」「竹」「梅」「千両・万両」を添えて飾り付けるのです。
なぜたくさんある植物の中から「松」や「竹」を飾るの?と思いませんか?
なぜ竹や松を使うの?それぞれの飾りの意味はあるの?
「門松」は、なぜ「松」「竹」を使うのでしょうか?
「松」は読みが「まつ」ということと、松の性質が関係しています。
前章で説明しましたが「待つ=年神様(としがみさま)を待つ」意味を掛け合わせています。
また、「松」は常緑樹ですので葉を落とさないことから、永遠の生命を象徴としています。
この「門松」に神々が宿るとされており、祝儀飾りにたくさん使用されています。「門松」の主役は「松」なのです。
「竹」は、垂直に真っ直ぐに成長することから生命力の強さを表しています。
また、「竹」は地下茎を広げることで強風・暴風に強く、2年~3年で成長する早さも特徴です。この成長の早さと力強さから「繁栄」を意味する縁起の良さから、「門松」に使用されています。
「松」や「竹」の意味を知ると納得しますね。
次に、なぜ竹を3本利用するのか、について解説していきますね。
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「門松」の竹が3本の理由
「門松」の中央に3本の竹がありますが、なぜ3本なのでしょうか?
1本でも2本でも何本でもいいと思いませんか?
ところが、3本にする理由がちゃんとあるんです。
3は仲を取り持つ意味の縁起物で、2で割り切れないおめでたい数字なのです。結婚式のお祝いを包むときに2で割り切れない配慮をすることと同様とされています。
3本のつぎに縁起がいいのが5本になるので、本数が少ない3本になったというわけです。
「門松」の「竹」は配置の仕方で意味が変わる
「門松」の中央に配置されている3本の「竹」にはさらに意味があります。7:5:3の「竹」を配置する仕方で意味が変わってきます。
何気なく見ている正月飾りの「門松」には、設置する主人の気持ちが込められています。これから「竹」の位置や長さの違いによって意味が異なるので説明していきます。
「出飾り(でかざり)」
3本の「竹」の中で、
・2番目に高い「竹」を外側
・3番目に高い「竹」を内側
このように設置する形を「出飾り(でかざり)」といいます。一般家庭で「門松」を飾り付けるときは、「出飾り(でかざり)」がポピュラーです。
「出飾り(でかざり)」は、子供の独立祈願・子供の結婚祈願の気持ちを表しています。
また、医療機関・福祉介護施設などで「早く患者さんが元気になって退院して欲しい」「元気になって出て行って欲しい」の意味を込めて「出飾り(でかざり)」を飾り付けることもあります。
「迎え飾り」
「出飾り」と異なり、3本の「竹」の中で、
・2番目に高い「竹」を内側
・3番目に高い「竹」を手前中央
に設置する形を「迎え飾り」と言います。百貨店・商業施設などで「お金やお客様が入って来て欲しい」との願いを込めて飾り付けをします。
「迎え飾り」は商売繁盛を祈願する他に、「子宝に恵まれたい」ように家族が増えることを祈願して飾り付けをします。「迎え飾り」は福を呼び込む意味を表しています。
3本竹の大型「門松」を飾り付ける一般家庭は少なくなりましたが、繁華街の百貨店・商業施設で見ることができます。
年末から年始に掛けてお出かけときに、「竹」の配置を見て観察をしてみましょう。祈願する目的がわかると思います。
また、中央にある3本の竹の長さが異なっていますよね?
長さの比率は7:5:3です。
「門松」は縄の巻き方にも意味がある
さらに竹の裾に荒縄(あらなわ)を巻いて固定しますが、長竹は7回・中竹は5回・短竹は3回、荒縄を巻きます。
長竹は男性を例えて7回、短竹は女性を例えて3回、中竹は仲を取り持ち5回荒縄(あらなわ)で巻いて固定します。
見えない部位にこだわる日本文化の特徴です。
その竹の切り口は、斜めに切った「そぎ」と真横に切った「寸胴」の2種類があります。竹の切り口の意味を説明していきます。
「門松」の竹を斜めに切る理由
今まで「門松」の「竹」の配置によって意味合いが異なる説明をしてきましたが、3本の「竹」の切り口にも意味があります。
前章まで、添付したイラストは斜めに切った「門松」を説明しましたが、斜め切りの他に真横に切った形があり、それぞれ意味があります。
「門松」の中にある「竹」を斜めに切る切り口を「そぎ」と言います。その切り口が「笑っている口」に似ていることから「笑う門には福来る」とも言われています。斜め切りは「福を招く」意味を表しています。
「竹」を真横に切った切り口を「寸胴(ずんどう)」と言います。
銀行・証券会社などの金融機関は「お金が詰まる」を意味して、節で切って飾り付けるケースが多くあります。
ですが、「お金が詰まる=商売繁盛」切り口は、料亭や飲食店は商売繁盛を祈願するために「寸胴」を飾り付けることになりますが、店舗の中身がよく見える意味を込めて斜め切りの「門松」を飾り付ける店舗もあります。
なぜ「門松」と言うのか?
ところで、なぜ「門松」と言うのでしょうか?
門松で一番目立つのは竹なのに、なぜ門竹とは言わずに門松と言うのでしょうか?
「松」は「永遠のシンボル」を意味しています。さらに「松」は「待つ」と言う言葉を掛けている意味もあるのです。正月にお迎えする「年神様を待つ」と言う意味があります。
「門松」には竹の存在感も大きいですが、主役は「松」なので「門松」を「松飾り」と呼ぶことも多いです。
百貨店や大型商業施設、大きなテナントビル、スーパーマーケットなどは大型の「門松」を飾り付けます。
大型の「門松」には竹3本と梅や他の花々で飾り付け設置します。
ですが、一般の家庭やアパート・マンションでは大型の「門松」はスペースも必要で高価なので設置できません。
そのため生花店・スーパーマーケットで販売される「門松(松だけの飾り物)」を飾り付けます。そのため「松飾り」と呼ばれるのです。
そう言えば、玄関に松だけ飾っているご自宅もありますね。
最後に
「門松」の歴史は平安時代に隣国の中華人民共和国から伝来され、形を変えながら現在に至っています。
一般家庭・アパート・マンションでは、竹3本がある「門松」を飾り付けることはスペースの問題もあって厳しいですよね。
ですが、「年神様(としがみさま)」をお迎えして、無病息災・家内安全・商売繁盛する気持ちは「門松」の大きさによって影響はありません。
「松」だけの「門松・松飾り」を飾り付けるときは、今年から「左・右=雄・雌」を意識してみませんか?
「門松」は左右に置きますが、右と左でどちらを置くか決まりがあるってご存知でしたか?
「門松」の飾り方については別の記事で詳しく解説していますので、「年神様」(としがみさま)をちゃんと迎い入れるためにも是非お読みください。