言の葉の庭の解説と感想!恋物語の名作としてオススメ!

言の葉の庭は大ヒットアニメ映画、君の名は。の新海誠監督の作品です。君の名は。より前の作品なので、他の作品も見てみようかな、と『言の葉の庭』を見る方もいると思います。ですが、作風も違うし、高1の男子生徒と教師の恋愛という設定でドン引きする方もいるようですが恋物語です。映像がとても美しい作品ですが、それにもワケがあります。言の葉の庭の解説や感想と映画のつづきについて紹介していきます。

 

言の葉の庭のあらすじを簡単に紹介

言の葉の庭-1

 

高校1年の孝雄は雨と靴にしか興味がなく、朝から雨が降っていると公園へ立ち寄り靴のデッサンをするのが日課。6月のある雨の日、その公園で年上の女性と出会います。

 

何度か会ううちに言葉をかわすようになり、お互いに惹かれ合っていく二人ですが、女性は孝雄の通う学校の先生でした。一人の女生徒のいやがらせを受け学校へ出勤することも難しくなるほど精神的に追い詰められた女性教師と男子生徒との恋の物語です。

 

▼言の葉の庭の無料動画はU-NEXTで見放題です▼

 

言の葉の庭の解説

言の葉の庭は映像が美しシーンがありますが、これは重要なポイントです。また、新海監督は女性のあざとさを知っている大人の男性で、けど、そんな女性に惹かれてしまう男性の心理もわかっていて、大人の男性だな、と思わせる作品です。

 

言の葉の庭は気持ちわるい、という感想もちらほらあります。気持ちわるいという意見もあって当然です。だって色っぽい映画なので。

 

それでは、解説をしていきますねー^^

 

映像が美しいわけと役割

言の葉の庭-2

 

新海誠監督の作品はどれも美しいと評判ですが、言の葉の庭は特段に美しいシーンがあります。それは舞台になる公園のシーンで、美しい緑の葉を茂らせた木の枝が池の水面に向かって伸びていて、微妙な風にゆらゆらと揺れている一コマです。ところどころにこのシーンが出てきます(上の絵)。

 

まるで写真のようなシーンで、とにかく美しいのです!

 

そして重要な役割をしています。

 

この美しいシーンのように、この作品は美しい恋物語ですよ。ということです。

 

映像が美しくなかったら、仕事をさぼり、朝から缶ビールを飲んでいる女性が高校1年生の男の子に恋をするなんてイメージがちがってきます。美しい映像だからこそこの作品は成り立っているといってもいいくらいです。

 

男性あるある心理

言の葉の庭は46分と短いですが、短編の純愛小説のような印象を受けます。後に、新海監督が小説として世に出しました。

 

孝雄は高校1年生といっても、女性教師との出会いは6月なので、半年前までは中学3年生だった男子生徒です。そんな高1男子生徒が27歳の女性に恋をするんです。

 

孝雄は先生との年齢差に自分がガキで背伸びしても先生に手が届かないと自分の中で葛藤します。

男性の中には孝雄の気持ちがよくわかるよ!という方もいると思います。ほとんどの女性にはありませんが。

 

孝雄が雪野の足のサイズを測るシーン

言の葉の庭-3

 

そして言の葉の庭には生唾をのみ込んでしまうようなシーンもあります。それは、孝雄が雪野の足のサイズを測るシーンです。手も触れたことがない二人なのに、男性が女性の足を触るのです。しかも、あらゆる角度から・・・。色っぽいシーンです。

 

他人の足を触ったり、他人に足を触られるのって抵抗ありますよね。

 

男性からすると、好きになった女性の足を触れるのはデートをして深い仲になった時ではないでしょうか。女性からすると、好きな男性の前に足を出すって恥ずかしいことです(^^*)

 

コーヒーを飲むシーンと階段のシーン

雪野のマンションでコーヒーを飲むシーンでは、孝雄が床に体育座りをし、雪野は椅子に座っているという設定になっています。このシーンでは、二人は年齢や先生と生徒という上下関係があり、二人におおきな隔たりがあるということを孝雄に見せるため雪野が椅子に座るという設定になっています。

 

二人の隔たりをくずしたくて、孝雄が告白しましたが、先生じゃなくて雪野さん、とさんで告白したところがポイント。ですが、雪野はさんじゃなくて先生だと言い返します。

 

勇気を出して告白した孝雄は部屋を飛び出しますが、階段の踊り場に立ち雨を眺めています。すると、孝雄を追いかけて裸足で飛び出してきた雪野が階段の上で立ち止まり、ここでも雪野が上、孝雄が下の設定です。

 

ですが、雪野は階段を駆け下りて孝雄の胸に飛び込み泣きじゃくります。

 

ここで二人の壁はなくなりました。

 

雪野はなぜ職業を言わなかったのか?

雪野は孝雄の制服の校章を見て、自分の高校の生徒だと気づきますが、孝雄には言いません。またどこかで会うかも、とつぶやいたのは学校も含めてのセリフです。

 

後で、教師であることが孝雄に知れ、なぜ言わなかったのかと言われたとき、自分のことは学校中で知れわたっているので知っていると思っていたと言い訳をしますが、それは言いわけで、教師だと知られて孝雄の気持ちが変わることを恐れたからです。

 

まず、和歌ですが、高校1年生の男子生徒が古典の教師だなんて気が付くはずがありません。

 

また、雪野が自分の高校の教師だと気づいていたら、孝雄の態度はちがっていたはずだし、孝雄は雪野がどこの誰かもわからず、教師だなんて想像もしていませんでした。

 

雪野はなぜ雨の降らない日に公園へ行き孝雄を待っていたのか

雪野は雨が降らない日にも公園へ行くシーンがあります。いつもの場所で孝雄がくるのを待っているようなシーンです。

 

なぜ、雪野は孝雄を待っていたのかというと、雪野が詠んだ短歌にヒントがあります。

 

初対面のとき、雪野が、

 

「雷神(なるかみ)の少し響みて、さし曇り、雨も降らぬか君を留めむ」

 

と詠みましたが、その返しの短歌は、

 

「雷神(なるかみ)の少し響みて降らずとも我は留らむ妹し留めば」

 

です。

 

意味は、

 

「雷が少しなって、曇って雨でも降らないだろうか そうすればあなたはいてくれるのに」

「雨なんか降らなくてもここにいるよ」

 

雪野が詠んだ短歌から、短歌を通して、雨が降らなくても自分に会いに孝雄が公園に来てくれることを望んでいたことがわかります。

 

ですが、この時点では、孝雄は短歌の意味も知らないし、バイトにあけくれていました。

 


スポンサーリンク

雪野にハマル男性

雪野のことをかわいいという人が結構います。男性に多いですね。雪野のような女性に惹かれる男性の恋心ってあまり女性には理解できません。

 

一人の女子生徒にいやがらせをされて学校を去り田舎に戻りますが、その女子生徒がいやがらせをした原因について映画ではあまり説明はありません。

 

その女子生徒の彼氏が雪野に言い寄ったけど相手にはされなかったのに、彼との関係がぎくしゃくしたのは雪野のせいだとこじつけて、学校中に大問題にしたのでした。

 

ですが、小説では、この女子生徒は雪野のことが好きだったのです。好きな人に思い切り甘えすぎて攻撃してしまったのです。

 

その女子生徒はとても意地悪そうな顔をしています^^;映画を見た人の全員が性格が悪い女子生徒だと思わせるような顔をしています。

 

そして女子生徒に雪野のことを〇〇ババアと言わせることで、見ている人は雪野がかわいそう、守ってあげなきゃ、と思ってしまいます。

 

多くの男性は、雪野ちゃん、かわいそう、守ってあげなきゃって思ってしまいます。

 

ですが、はたして雪野は守ってあげなきゃいけないほどか弱い女性でしょうか?

 

女性から見ると、そうは思えないのですよ^^;

 

あざとい女性です。

 

孝雄が自分の学校の生徒だとわかっていてもあえて知らぬふり、短歌を詠んで古典のせんせいだと気づいたもらえると思ったと言いわけはするし、雨に濡れたからといって、自分のマンションへ生徒を招き入れ、告白されたらお断りしますが、孝雄が自分から去ると追いかけていきます。

 

あざといけど、雪野ちゃんかわいい、と思う男性がいるとおり、男性は雪野のような女性に惹かれやすいです。

 

新海監督は女性という生き物をすべてお見通しなのがわかります。

 

ちなみに、雪野は君の名は。にも、三葉の高校の国語の先生として登場しています。

 

 

 

言の葉の庭は男性の妄想物語でもある

そして、言の葉の庭は、男性の妄想でもあります。

 

雨降りの公園の休憩所で座っていると、隣に見知らぬ年上女性がいて、なぜか朝から缶ビールを飲んでいる。仕事行かないのかな?なにやってる人なのかな?どうしてこんなところにいるんだろう?恋人はいるのかな?とどんどん勝手に妄想した物語というわけです。

 

そして、雪野という女性は男性の憧れでもあります。

 

男性は女性とリードしたいと思いつつも、女性から来てほしい、という願望ももちあわせているものです。

 

孝雄が思い切って告白しますが、雪野に断られて部屋を出ていくと、今度は雪野から近寄ります。しかも、年齢や生徒と教師という大きな壁を壊したのは雪野の方です。

 

言の葉の庭のあらすじネタバレ全部

 

高校1年生の孝雄は靴職人になることを夢見て、毎日、靴のデッサンをしたり作ったりすることと雨が好きで、朝から雨が降ると公園へ行くことが習慣になっています。当然、朝から雨が降った日は遅刻して登校します。

 

雨の日の公園は来園者もいなくて、緑一面にしんしんと雨の降る景色だけが広がっています。

 

6月のある朝、大好きな雨が降っていたので、いつも通り公園へ行きいつもの休憩所へ行くと、年上の女性、雪野がいました。雪野はOLっぽい感じですが、朝から缶ビールを飲んでいます。

 

孝雄は雪野をどこかで見かけたような気がしたため、

 

どこかでお会いしましたっけ?

 

とたずねましたが、雪野は

 

いいえ

 

と答えます。

 

黙々と靴のデッサンをする孝雄を眺め、ベストについている高校の校章を見た雪野は

 

どこかで会ってるかも

 

とつぶやくと、

 

雷神(なるかみ)の少し響(とよ)みて、さし曇り、雨も降らぬか、君を留めむ

 

と言い残し孝雄のもとから静かに去っていきました。

 

家に帰り、雪野が残した言葉を書き綴ったメモを見せて兄に尋ねると、知るわけないだろと言われました。

 

孝雄の家は、母と兄との3人暮らしでしたが、兄が彼女と一緒に住むからと家を出る話を持ち出したとき、母が自分も彼と一緒に住むからと家を出てしまいました。

 

翌朝は晴れていたので、孝雄は朝から学校へ行きました。学校へ行きながらも、心の中ではいつも「こんなことをしている場合じゃない」と思うのでした。

 

また朝から雨が降ったので、孝雄はいつもの通り公園へ行くと、その日も雪野がビールを飲んでいました。

 

孝雄はカバンからスケッチブックを取り出すと、いつも通り靴のデザインをはじめましたが、雪野の足のスケッチをし始めます。

 

雪野が、学校はお休み?とたずね、孝雄から会社は休みですか?とかえされた雪野は「またさぼっちゃった」と答えました。

 

ビールだけ飲んでいる雪野のことが心配になり、何か食べないと体に悪いと言う孝雄に、バックから大量の板チョコを取り出した雪野は、ビール以外にもちゃんと食べいると笑顔で言いました。

 

驚く孝雄に、いいの、どうせ人間なんてみんなちょっとずつおかしいんだからと言う雪野。

 

お昼になったので学校へ行こうとする孝雄に、「また会うかもね。雨が降ったら・・・」と雪野は言いました。

 

その日は関東が梅雨入りした日でした。その日を境に孝雄と雪野は徐々に親しくなっていきます。

 

ある雨の朝、孝雄は、「靴の形を考えたり作ったりするのが好きなんです・・・。できることならそれを仕事にしたい・・・。」と語りました。

 

孝雄が自分の夢を他人に打ち明けたのは初めてでした。

 

孝雄は雨が降ることを願うようになり、雨が降らない日に学校へ行くと、子供じみた世界にいるようで焦りを感じていました。

 

ある雨の日、雪野は駅のホームにいましたが、到着した電車を見送り公園へ向かうと、いつものようにデッサンをしている孝雄のスケッチブックを覗きます。

 

恥ずかしいと思った孝雄はあわててスケッチブックを閉じました。

 

チョコをつまみにビールを飲んでいる雪野を心配していた孝雄は、雪野のお弁当も作ってきたといいカバンから取り出すと、雪野も自分の分を作ってきたといい、お互いにお弁当を広げました。

 

孝雄は高校を卒業したら靴職人の学校へ進学する夢があるため、飲食店でアルバイトをしているので料理は得意なのです。

 

すると、孝雄はおかずを交換しようと言い、雪野が返事をする間もなく、雪野のお弁当から卵焼きへ箸を伸ばし口へ運びました。

 

正直、雪野が作ったおかずは美味しくはなかったけど、孝雄はこれはこれでうまいですよ。歯ごたえがあって。とほめました。

 

バカにしてるでしょ、と言う雪野。

 

二人ははじめて笑いました。

 

すやすやと眠ってしまった孝雄に、雪野は、私、まだ大丈夫かな・・・とつぶやきます。

 

その日の夜、雪野は元彼に電話をして、その人のお弁当、味がするの・・・。チョコレートとビールの味しかしなかったのに・・・。と言うと、よかったね。という元彼。

 

雪野はストレスが原因で味覚障害になっていたため、食べものの味がわからなくなっていたのです。

 

電話を切ると、あれ以来、わたし、嘘ばっかりだとつぶやき落ち込みます。そんな雪野の手には分厚いハンドメイドシューズの本が。

 

7月に入ったある雨の朝、雪野は孝雄にお弁当のお礼にとハンドメイドシューズの本をプレゼントします。

 

高価な本をプレゼントされた孝雄はとてもよろこび、今手掛けている女性の靴を雪野のために作ろうと思います。

 

作業を進めますが思うようにいかず、お願いして雪野の足のサイズを測らせてもらうことにしました。

 

雪野の足のサイズをあらゆる角度から念入りに測っている孝雄に向かって、雪野がつぶやきます。

 

わたしね、うまく歩けなくなっちゃったの・・・。いつの間にか・・・。

 

孝雄は雪野についてなにも知らないことに気づきました。仕事も、年齢も、抱えている悩みも、名前さえも・・・。

 

そんな孝雄はさらに雪野に惹かれていきます。

 

梅雨が明け、晴れの日がつづく中、雪野は公園へ行きますが、孝雄が来ることはありませんでした。朝から晴れた日は学校へ行くと決めている孝雄は公園へ行く口実がなく、二人は会えない日々を過ごします。

 

雨の日が来ることなく、二人は会えないまま孝雄は夏休みに入りましたが、靴の専門学校へ通うための学費と靴の材料費を稼ぐため、バイトに明け暮れます。また、雪野がたくさん歩けるようになる靴をつくるため、靴作りに没頭します。

 

孝雄に会えない日々を過ごす雪野は、27歳のわたしは、15歳の頃のわたしより、ずっと賢くない。わたしばっかり、ずっと同じ場所にいる・・・。とつぶやきます。

 

二人が会うことはなく夏休みが終わり、9月から新学期がはじまりました。ある日、孝雄が職員室の前の廊下を同級生と歩いていると、雪野がいました。なんと、雪野は孝雄が通う高校の古典の先生だったのです。

 

雪野は根も葉もないうわさが原因で、学校に来られなくなるほど追いつめられていたのです。雪野が自分が通っている高校教師だとは思ってもいなかった孝雄ですが、雪野のことはうわさが広まっていて、知らない生徒はいないくらい学校中に知れ渡っていました。

 

孝雄は根も葉もないうわさを流した3年生の女子生徒の教室へ行き、頬を強くたたきました。すると、そばにいた男子生徒が孝雄を殴りつけ顔に大けがをしてしまいます。

 

女子生徒は、雪野のことをババアだと吐き捨てました。

 

朝から雨が降っていたので公園へいくと、雪野がいました。孝雄のばんそうこうだらけの顔を見た雪野はとてもおどろきました。

 

雷神(なるかみ)の少し響(とよ)みて降らずとも、我は留らむ、妹し留めば

 

と孝雄はつぶやきました。

 

すると雪野は、そう、それが正解。私が最初に君に言った歌の返しとかえしました。

 

最初、雪野が詠んだ、雨が降ったら君はここにとどまってくれるだろうか

 

に対するかえしは、雨なんか降らなくてもここにいるよ

 

という意味でした。

 

雪野は、古典の教師だって気づいてもらえるかなって思ったんだけどな。それにわたし、学校中の人に知られてると思ってたから。でも、君はちがう世界ばかり見てたのね・・・。

 

そう言った雪野は顔のケガについてたずねると、冗談で答える孝雄でしたが、すぐに、「嘘です。ケンカくらいしますよ。」と言いますが、なぜケンカをしたのかは言わず、雪野も聞きませんでした。

 

すると突然雷が鳴りだし、大粒の雨が降ってきたため、二人はいつもの公園の休憩所で雨宿りをしますが全身ずぶ濡れになったので雪野のマンションへ向かいました。

 

雪野は孝雄に洋服を貸し、二人で孝雄が作ったオムライスを食べます。このときの二人はとびきりの笑顔。そうです、この映画の中で唯一見せる笑顔です。

 

お互いに、今まで生きてきて、今が一番幸せかもしれない・・・。と心の中で思います。

 

孝雄が、「雪野さん、オレ、雪野さんが好きなんだと思う・・・。」と告白すると、雪野は目を潤わせ頬を赤くしますが、「雪野さんじゃなくて雪野先生でしょ」「先生は、来週引っ越すの。四国の実家へ帰るの。ずっと前から決めてたの。わたしはね、あの場所で、ひとりで歩けるようになる練習をしてたの。クツがなくても。

 

「だから・・・」と孝雄が言うと、「だから、今までありがとう。秋月くん。」

 

孝雄は頭を下げてお礼を言うと雪野先生のマンションを出ていきます。

 

公園での孝雄との会話をつぎつぎと思い出し、悲しみで顔をおおう雪野でしたが、はだしのまま孝雄を追いかけます。ふらつきながら、足がもつれて転んでも必死で孝雄を追います。

 

ここからのシーンは最大の見せ場です。

 

追いかけてきた雪野に気付いた孝雄が振り返ると、雪野は「あの・・・」と話出そうとしますが、孝雄の方から、さっきのは忘れてください。オレ、やっぱりあなたのこと、キライです。というと、はっとして泣きそうになる雪野。

 

孝雄は、苦しそうな顔をしながら雪野のことがイヤな人だ。朝っぱらからビールをのんだり、わけのわからない短歌を吹っかけてきたり、高校生だとわかっていながら言わなかった。汚い。教師だとわかっていたら自分の夢なんか語らなかった。と泣きながら気持ちをぶつけます。

 

雪野はちがうちがうと首を横に振り涙を流すといっきに階段を駆け下りて孝雄に抱きついて号泣します。

 

ここで雨が小降りになり、虹が現れます。

 

「ちゃんと学校に行こうとしてた。でも怖くてどうしてもいけなくて。あの場所で私あなたに救われてたの・・・」

 

と言うと、孝雄は雪野をしっかりと抱きしめて涙を流します。

 

翌週、雪野は田舎へ旅立ち、孝雄はいつもの高校生活に戻ります。雪の降る朝、孝雄は公園へ立ち寄り、雪野の手紙を読み、雪野のために作ったパンプスとを雪野が座っていたところへ置きます。

 

そして、歩く練習をしていたのはきっとオレも同じだと今は思う。いつかもっと、もっと遠くまで歩けるようになったら、会いに行こう。と雪道を歩きながらその場を去るのでした。

 

言の葉の庭のその後は小説で明らかに

 

映画の公開後、小説が発売されました。作家はもちろん、新海監督で、映画のつづきです。つづきが知ることができるってうれしいですよね。

 

孝雄は雪野にプレゼントするパンプス作りに励みますが、独学だし、女性の靴ということもあってなかなかうまく作ることができません。

 

母親に靴を見せるとストレートなダメ出しをされ、ちゃんと学ばなければ、と思い高校を卒業後、本格的に靴作りを学ぶためイタリアへ留学します。高校1年生の頃は靴作りの学校へ通うことが目標でしたが、靴作りの本場のイタリアのフィレンチェへ向かいました。

 

田舎へ帰った雪野とは遠く離れたままでしたが、手紙やメールで交流はつづいていました。

 

二人はまた、初めて会った雨の日の公園で再会をはたします。

 

イタリアで2年間修業をした孝雄の鞄の中には、雪野のために作ったパンプスが入っていました。孝雄はそのパンプスが入った鞄を手に、公園へ向かいます。

 

公園に着くと、女性がいて、振り返ったその女性は雪野でした。雪野は今にも泣き出しそうな表情をしていましたが、孝雄の顔を見るとゆっくりと笑顔に変わっていきました。

 

4年半ぶりの再会でした。

 

2人が再会したところで小説はおわります。

 

その後、二人はどうなったのかは妄想するしかないですが、孝雄はきっと彼女もいないはずで、今でも雪野のことが好きなはずです。

 

靴職人になるため、そして雪野へパンプスをプレゼントすることだけに集中した日々を過ごしてきたと想像できるからです。

 

また、孝雄は同年代の女性とは話も合わないだろうし、興味もないはずです。孝雄の外見は高1とは思えないくらい大人びていて、孝雄の兄が老けていると言うセリフもあります。

 

あえて大人っぽい老け顔にしたのだと思います。といってもイケメンくんですけどね。

 

きっと、同年代の女性から言い寄られても興味ないってタイプだと思います。雪野一筋って感じです。

 

雪野は孝雄と出会った時は27歳だったので、31歳になっています。彼がいるのか、結婚しているのかはわかりません。

 

もし雪野に彼もいなくて独身だった場合、二人は晴れてお付き合いをスタートするでしょうね。

 

おすすめ見どころポイント

 

とても美しいシーンのある言の葉の庭は美しい恋物語の映画です。無駄な部分がなくて46分という時間が清らかに過ぎていくような作品で、梅雨になると思い出すくらいです。

 

好きなシーンは、告白した孝雄が部屋を出て行った後、物陰から雪野をゆっくりと映し出すところです。このカメラワーク好きです。

 

一番の見どころポイントは、やはり、雪野がはだしで孝雄を追いかけ、孝雄が苦しみながら雪野のことがキライと言いますが、結局二人が抱き合うシーンです。

 

演出もグッときます。

 

雪野は孝雄からの告白を断りながらも、表情では孝雄のことが好きだったり、孝雄が無理に雪野のことをイヤな人だと言うシーンでも、本当は好きなことが顔や動作でわかるところがなんともいえないです。

 

新海監督っていろんなアニメ映画をつくることができる方なんだな、と思わせた作品です。君の名はとは違いますが名作だと思います。

 

▼言の葉の庭の無料動画はU-NEXTで見放題です▼

▼U-NEXTの公式サイトをクリックする▼

タイトルとURLをコピーしました