『ボヘミアンラプソディ』って、どぎもを抜かれた曲ですよね!
オペラとロックを融合した今までに聴いたこともない曲だし、6分という長さだし、歌詞自体も意味がわからない、となぞだらけの名曲だと言われています。
ですが、歌詞はフレディの生き方や周囲への発言などから簡単に理解することができます。
原文をそのまま直訳すると分かりにくいので、意訳した和訳を書いていき、解釈していきますので、歌詞の意味を知りたい方はぜひ読んでみてください!
『ボヘミアンラプソディ』の歌詞の意味
ボヘミアンラプソディの歌詞の意味は作ったフレディにしかわからない。メンバーも意味をしらない。と言われていたりしますが、メンバーや関係者ははっきりとではなくても、おおよその意味は知っています。
なぜなら、ブライアン・メイは、次のように語っていたからです。
「フレディがどういう思いでこのような詩を書いたのかはおおよそは知っているけど、私達は公表する気はない。」
それに、クイーンは作詞・作曲をしていたのはフレディだけでなく、メンバーも曲作りをして持ち寄っていました。
アルバムに入れる作品はメンバーと関係者で討論するのは当たり前ですので、フレディが作った作品だからといって説明もなくアルバムに入れたとは考えられません。
また、フレディは関係者の1人に、ボヘミアンラプソディを作る頃、
「自分はゲイではないかと悩んでいる」
と打ち明けています。
そして、なによりタイトルから自由を愛したフレディのことだとわかります。
前情報はそのくらいにして、和訳を書いて、その後で解釈を書いていきます。
『ボヘミアンラプソディ』の英文と和訳
Is this the real life
これが現実なの?
Is this just fantasy
ただの幻想なの?
Caught in a landslide
土砂崩れに巻き込まれたように
No escape from reality
現実から逃れることができない
Open your eyes
目を開けて
Look up to the skies and see
空を見上げるんだ
Im just a poor boy,i need no sympathy
僕は哀れな奴さ だけど同情は要らない
Because Im easy come,easy go
だって僕はその日暮らしで気楽に生きてるから
A little high,little low
いい時もあるし落ち込むこともある
Anyway the wind blows,doesn’t really matter to me
どんなことが起こっても僕には関係がない
To me
僕にはね
Mama,just killed a man
ママ たった今人を殺して来たよ
Put a gun against his head
彼の頭に銃を突きつけたんだ
Pulled my trigger,now hes dead
僕が引き金を引いたら彼は死んじゃった
Mama,life had just begun
ママ 人生は始まったばかりなのに
But now Ive gone and thrown it all away
僕はすべてを捨ててしまった
Mama ooo
ママ
Didn’t mean to make you cry
あなたを悲しませるつもりはなかった
If Im not back again this time tomorrow
もし僕が明日の今頃戻らなくても
Carry on,carry on,as if nothing really matters
何もなかったように 落ち込んだりしないで
Too late,my time has come
もう遅いんだ 時が来た
Sends shivers down my spine
背すじがぞっとした
Bodys aching all the time
いつも体中が痛い
Goodbye everybody Ive got to go
さようなら みんな もう行かなくちゃ
Gotta leave you all behind and face the truth
君たちと離れて現実と向き合うからさ
Mama ooo (any way the wind blows)
ママ (どうせ何かが起こるんだ)
I don’t want to die
僕は死にたくない
I sometimes wish I’d never been born at all
僕なんて生まれてこなければよかったって思うことがある
I see a little silhouetto of a man
小さな男のシルエットが見える
Scaramouche,scaramouche will you do the fandango
スカラムーシュ スカラムーシュ
君はタンゴを踊るのかい?
Thunderbolt and lightning very very frightening me
雷と稲妻が僕を死ぬほど怖がらせる
Galileo Galileo,
ガイレオ ガイレオ
Galileo Galileo
ガリレオ ガリレオ
Galileo Figaro magnifico
ガリレオ フィガロ 素晴らしい人よ
But Im just a poor boy and nobody loves me
だけど僕はただの哀れな奴で誰にも愛されない奴
He’s just a poor boy from a poor family
彼は貧しい家の出身でかわいそうな奴なんだ
Spare him his life from this monstrosity
この悪夢のような人生から彼を救って
Easy come easy go will you let me go
気ままに生きてる僕を自由にしてくれる?
Bismillah! No we will not let you go let him go
神の名において! ダメだ お前を自由にさせない 彼を自由にしてやれ
Bismillah! we will not let you go let him go
神の名において! お前を自由にさせない 彼を自由にしてやれ
Bismillah! we will not let you go let me go
神の名において! お前を自由にさせない 僕を自由にしてやれ
Will not let you go let me go(never)
(決して)お前を自由にさせない 僕を自由にして
Never let you go – let me go
絶対自由にさせない 自由にしてくれ
Never let you go – let me go
絶対自由にさせない 自由にしてくれ
Never let you go – let me go
絶対自由にさせない 自由にしてくれ
Will not let you go let me go
お前を自由にさせない 僕を自由にして
No,no,no,no,no,no,no
ダメだ ダメだ ダメだ
Mama mia,mama mia,mama mia let me go
なんてこったい なんてこったい 僕を自由にさせて
Beelzebub has a devil put aside for me,for me,for me for me
ベルゼブブが僕に悪魔をよこしやがった 僕に 僕に 僕に
So you think you can stone me and spit in my eye
だから 僕に石を投げつけて
魔除けのために僕の目に唾を吐きかけるつもりなんだね
So you think you can love me and leave me to die
つまり 僕を愛しながら見殺しにするつもり?
Oh baby can’t do this to me baby
愛しい人 そんなこと僕にできないよね 愛しい人よ
Just gotta get out just gotta get right outta here
ウソだよね ただの冗談だよね
Nothing really matters
たいしたことじゃない
Anyone can see
わかってくれる人はいる?
Nothing really matters
たいしたことじゃない
nothing really matters to me
たいしたことじゃない 僕にはね
Any way the wind blows…
どんなことが起こってもね…
引用:英文は歌詞カード
いかがでしたか?和訳は意味がわかりやすいように意訳しました。というより、意訳じゃないと理解できません。
ボヘミアン・ラプソディをカラオケで歌いたい!と思ったことはありませんか?みんなと一緒に歌っても気持ちがいい曲ですので是非歌ってみてください。
日本人が歌いやすいように、カタカナのルビをふった歌詞を別記事で紹介しています。耳から聞こえた通りにカタカナでふりがなをつけたので、そのまま歌うことができます。
以下をクリックするとカタカナをつけた記事に飛びます↓
ボヘミアン・ラプソディ(Bohemian Rhapsody)歌詞のカタカナ
『ボヘミアンラプソディ』に出てくる人物はメンバーのこと
歌詞の中に有名な人物の名前が出てきますが、メンバーだと解釈すると歌詞の意味がとおりやすいです。
Galileo(ガリレオ)
イタリアの物理学者・天文学者のガリレオ・ガリレイ
ブライアン・メイのこと
ブライアン・メイは20歳のころ大学院で宇宙工学を学んでいたことがあるので、天文学者だったガイレオにあてはまります。
また、クイーンの音楽活動のため研究はやめていましたが、なんと60歳頃から天文物理学の研究を再開して博士号を取りました。研究はスペイン領のカナリア諸島のラ・パルマ天文台でおこないました。
Figaro(フィガロ)
権力に反する者
ロジャー・テイラーのこと。
ロジャーはイケメンで若い頃はかわいい顔をしていましたが、外見とは違ってとても男っぽくてロッカーって感じなのでフィガロがぴったりです。
Magnifico
スペイン語ですばらしい人という意味がある
ブライアンとロジャーが出てきた歌詞の流れから考えると、ジョン・ディーコンはMagnificだと思います。
ジョンはとても温厚で謙虚な方なので、すばらしい人と表現されても納得します。
クイーンの魅力に誰よりも早く気づいて日本へ紹介したロック雑誌のミュージック・ライフの編集長だった東郷かおる子さんは、
「クイーンのメンバーの中でお友達になるならジョン」
だと仰っていたことがありました。
また、フレディの最高で最後の恋人だったジム・ハットンも、ジョンのことをとても思いやりがある人だと著書の中で書いています。
『ボヘミアンラプソディ』の固有名詞
次は他の固有名詞などについての意味です。
Scaramouche(スカラムーシュ)
イタリアの喜劇に出てくる道化師。空いばりする臆病者。
Bismillah(ビスミラ)
イスラム教徒がよく使う言葉「神に誓って」「神の名において」
Fandango
スペイン起原のダンスで男女で踊るフラメンコが有名。
Beelzebub
悪霊
『ボヘミアンラプソディ』の歌詞の解釈
以上を踏まえて、ボヘミアンラプソディの歌詞の意味を解釈していきます。
まず、最初に書いたように、この歌詞はフレディがゲイかもしれないと悩んでいる頃に書かれた作品です。
そして、タイトルからしてフレディのことだとわかります。フレディは縛られることが嫌いで自由に生きたい人だったからです。
歌詞の冒頭から苦悩している様子が書かれています。
「これが現実なのか?現実から逃れることができないと悩んでいて自分は哀れな奴だけど、同情なんて要らない」と言っています。
フレディは人に同情されるのが嫌でした。死期が迫り体調が悪くなり自由に歩くことも難しくなったのに、同居していたジムが手を貸そうとすると振り払ったことがあったそうです。
そして、「気軽に生きている」とつづきます。
ですので、この冒頭部分だけでもフレディ自身のことだとわかります。
次にショッキングな詞になり、この部分で理解に悩む人が多いですが、他人を殺めたのではなく、自分自身のことです。
今までの自分を捨てて、ゲイとして生きていることをしたということで、それは自分自身を殺すほどの苦悩だったことが伺えます。
次に「ママを悲しませるつもりはなかった」とあり、親に申し訳ないと思う気持ちです。
だけど落ち込んだりしないで、今までのように何事もなく過ごしてほしいと願っています。
これからは、新しい自分、ゲイとして生きていくから、後戻りはできない、もう決めたということでしょう。
フレディはとても親思いで、親の誕生日には必ず会いに行っていました。ですが、亡くなる前、母親の誕生日の頃には体調が悪化して帰ることができなかったので、お花を送り、
「ママ、行けなくてごめんなさい。この穴埋めはするから。」
と電話を入れていました。
「体中が痛い」くらい悩み「生まれてこなきゃよかったけど、死にたくないはない」という部分からかなりの苦悩が伺えます。
ここからブライアン・メイのギターソロになります。かっこいいギターソロというより、なんとも言えない悲しさが伝わってきます。
スカラムーシュは道化師で臆病者です。臆病者のシルエットとはフレディのことでしょう。
ファンタンゴとは男女ペアになって踊るダンスなので、ゲイであるフレディは男女ペアのダンスは踊りません。ここではダンスと表現していますがお付き合いという意味なのだと思います。
ゲイであるフレディは女性とお付き合いをしないため、死ぬほど、恐怖するほど悩んでいると解釈できます。
なぜなら、ゾロアスター教徒だったからだと推測しました。
ゾロアスター教は、厳しい規律はなく、
神が創造したこの世界を思う存分楽しみなさい
という自由な宗教のようですが、結婚して子供を残すことが良いとされているようです。
ゲイのため女性と結婚できないし、自由でいたいしで怯えるほど苦悩したのかもしれません。
ブライアン・メイ(ガリレオ)、ロジャー・テイラー(フィガロ)、ジョン・ディーコン(Magnifico)の名前を叫び、「自分は哀れで誰にも愛されない奴だ」と言います。
次に、3人のセリフです、「彼は貧しい家の出で哀れな奴だから、その地獄のような人生から解放してやって」とつづきます。
フレディはペルシャの貴族出身ですので、貧しい家の出身者ではありませんが、ゾロアスター教の祖先はイスラム教徒から追われてインドへ移り住んだ歴史があります。
そしてフレディ自身も17歳の時、ザンジバル革命で故郷を後にして家族でイギリスへ移り住みました。
また、フレディの本名は、ファルーク・バルサラといい、バルサラは南インドのバルサードの町の名前からの由来です。
フレディは故郷にいた頃は使用人もいて裕福な暮らしをしていましたが、イギリスに移り住んでからは両親は使用人として働き、フレディは学校を卒業すると肉体労働者として働いていました。
本名にコンプレックスを持っていたので、後に改名したのです。
イギリスは階級制度が激しい国ですので、生活が一変したフレディは人種などの差別を感じていたのかもしれません。
ゲイであり自由に生きたいフレディは、自由にして欲しいと言います。
Easy come easy go will you let me go(気ままに生きてる僕を自由にしてくれる?)のlet me goの和訳は「行かせて」「逃がして」と訳されている方が多いですが、全体の歌詞の流れから、自由の方がしっくりくると思ったので、自由を使いました。
神の名において、自由にして欲しいと哀願しますが、ダメだと言われ、メンバーたちもフレディを自由にしてあげてとお願いします。
この掛け合いがつづきますが、悪霊がフレディのところに悪魔を送りつけます。
旧約聖書では、同性愛者は石で殴り殺されてもいいとされていて、目に唾を吐くのは悪魔から身を守るためだと言われています。
誰もがフレディにそのような行為をできるため、愛する人達に対して、そんなことできないよね?と言っています。
Just gotta get out just gotta get right outta hereでは、「行かなくちゃ」と訳されている方が多いですが、歌詞の流れからも「冗談でしょ?」の方がしっくりくると思いました。映画などのセリフでも使われる言葉です。
こんなにひどい扱いを受けることになっても「気にしない」と言います。
最後に「Any way the wind blows…」で終わりますが、これは直訳すると「どちみち風は吹く」になりますが、歌詞の流れとして「the wind blows」は人生の困難の方がしっくりきます。
どんなふうに生きようと人生には困難はつきものだ、けど、僕はそんなの平気さ、自由に生きるよ。
というような意味になります。
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フレディ・マーキュリーの生き様と最後のインタビュー
フレディは自由を愛して自由に生きる道を選びましたが、この歌詞からもゲイであることにとても悩んだことが伺えます。
また、自由に気ままに生きるって聞くとヘラヘラと無責任に生きるように思われがちですが、フレディはそのような人ではなかったと思っています。
なぜなら、死期が近くなった時の言動でも生き様を垣間見ることができたからです。
フレディの周囲にいたブライアン・メイやジム・ハットンなどの証言からも、ギリギリまで精力的に明るく振る舞い音楽活動をしていて、現場で弱音なども吐かなかったからです。
インタビューでは、このように語っていました。
僕にとって一番大切なことは幸せであること
自分のおかした過ちは
言い訳するんじゃなくて
自分で償うしかないんだ自分らしく生きるだけさ
残された年月を 出来る限り
生き生きと楽しく過ごそうと思う
声も明るく、冗談を交えて語ったのです。
過ちとはエイズになったことだと思われます。
有名になったことで孤独になったこと、他のメンバーは妻子がいて家庭があったけど一人で孤独だったことで、夜な夜なパーティーを開いては多くの人と深く交流していて心配する人達もいたようです。
フレディはつづけて、このように語りました。
最後のインタビューになるから貴重だよ
こんなに自分の気持ちを明かしたのは初めてだから
ちゃんと使ってよ
とユーモアを交えてスタッフたちを和ませたのです。
『ボヘミアンラプソディ』の歌詞の和訳と解釈のまとめ
ボヘミアンラプソディはフレディの悩みや心の中にある葛藤を作品にしたとしか思えません。
ロックなのに曲調がオペラに変わるのも、オペラがイタリアで誕生した時、ギリシャ悲劇を舞台で表現したのがはじまりだといわれているので、フレディがオペラ好きなのも影響があったのかもしれませんが、悲劇ということで取り入れたのかな、と思います。
ゲイであることに悩み、エイズの合併症で弱っていく体でレコーディングやpvの撮影をし、弱音も吐かず、生き生きと楽しく生きようとしたフレディの生き様がボヘミアンラプソディの曲そのものだと思いました。
今日、11月24日はフレディが天に召された日です。安らかに眠りたいからと、遺骨の埋葬は元彼女で親友のメアリーに託し、約束通り誰にも知られることなく埋葬されました。
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『ボヘミアンラプソディ』の映画については、別記事で感想と事実と違う点などをまとめていますので、ご興味があれば是非読んでみてください!
最初、トレーラーを見たとき、フレディ役のラミ・マレックが似てなくて、映画自体の迫力も伝わってこなかったので期待せずに観たのですが、最初からとても感動して、一言でいうとフレディに対する愛が詰まった映画でした。
有名人を取り上げた映画は今までにもたくさんありますが、この映画はまったく違っていて、フレディやクイーンの物語だけでもないし、ライブのノリの映画でもなく、こんな映画は初めて観ました。
この映画を世に送り出してくれた関係者の方々に敬意を払いたくなるすばらしい作品で、映画のエンドロールが終わった後、拍手がおこりました。
フレディは亡くなった後も、また一つ伝説を作ったというか、関係者たちによって作られたな、と思いました。
rockin’onの編集長、山崎洋一郎さんのトークライブでのコメントも掲載していて、クイーンはデビューした時から評論家には悪評だったけど、大人気になった理由について山崎さんの見解も紹介していますので是非読んでみてください。
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フレディはインタビュー嫌いで知られていましたが、20年間の発言をまとめた本『ア・ライフ、イン・ヒズ・オウン・ワーズ』があります。
誤解されたことも多く、発言していないことまで書かれたりしたこともありましが、この本は脚色することなくフレディの語録だけを集めたもので、本当のフレディがわかります。
残念ながら絶版になっているため入手できません。すべて掲載するわけにもいかないため、少しでも伝わればいいなと思いますので、フレディについて知りたい!と思われたら読んでみてください。
≫フレディ マーキュリーの言葉がまとめられた本『ア・ライフ、イン・ヒズ・オウン・ワーズ』
ボヘミアンラプソディの曲は以下のサウンドトラックに入っています。
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