2020年7月24日から東京オリンピック、8月25日から東京パラリンピックが開催されます。
2012年のイギリス連合王国のロンドン大会、2016年のブラジル連邦共和国のリオデジャネイロ大会では、大勢のボランティアさんが活躍されました。
ボランティアとして参加したい!
と思われている方も多いことでしょう。
と同時に、英語力を不安に思い、参加を迷われている方も多くいらっしゃると思います。
私の英語レベルで大丈夫?
私もその一人なので、お気持ちがわかります。
ということで、東京オリンピック・パラリンピックのボランティアに求められる英語力や必要な資格について調べたのでまとめました。
参考になれば嬉しいです。
ボランティア募集へ参加する前のチェック項目
ボランティアは2つの組織から募集となります。
東京都(以降:都市ボランティア)は3万人、東京オリンピック組織委員会(以降:大会ボランティア)は8万人を募集します。
大会ボランティア:8万人
まずは、応募する前に最低限チェックすべきことを紹介しておきます。
どちらとも、応募資格は18歳以上、日本国籍保有者または在留資格を有する方です。
宿泊施設も無く、移動に関する交通費の支給がありませんのでこれらの経費はすべて自己負担となります。
オリンピック・パラリンピックの開催期間中は、ホテルや旅館などの宿泊施設は、どこも満室になると思われるため、参加を希望する場合は宿泊先の確保が必須です。
東京都や近隣に自宅があるか、親戚、友人などがいて同居させてもらうか、になると思います。
地方から参加される方は、応募する前に泊めてもらえそうな方へお伺いをしておくことをおすすめします。
開催中のみでなく、2018年秋から実施される研修会への出席も求められます。
研修会参加も宿泊施設、参加交通費の支給はありません。
学生さんや自由がきくフリーワーカーさん、リタイアされた方、自由がきく専業主婦の方などは参加しやすいと思いますが、18歳以上の社会人には厳しい条件になっています。
ですが、会社員などでも有給休暇が取れるのであれば参加は可能です。
開催期間
- オリンピック:2018年7月(金曜日)~8月9日(日曜日)
- パラリンピック:2020年8月25日(火曜日)~9月6日(日曜日)
活動日数
- 都市ボランティア:5日以上
- 大会ボランティア:10日以上
※大会ボランティアは場合によっては10日以下になることもあります。
- 活動日数を満たせるか
- 開催期間中の宿泊先の確保
- 研修に参加可能か
- 交通費等の経費の自己負担はできるか
大会ボランティアと都市ボランティアの違い
大会ボランティアと都市ボランティアの違いを説明します。
「大会ボランティア」は、東京オリンピック組織委員会が募集するボランティアです。
「都市ボランティア」は、東京都・神奈川県・千葉県などの都道府県が募集するボランティアです。
大会ボランティアと都市ボランティアの活動内容などの違いです。
大会ボランティア | 都市ボランティア | |
運営主体 | 東京オリンピック組織委員会 | 東京都などの都道府県 |
活動場所 | 競技会場、選手村等の大会関係施設 | 空港・主要駅・観光地、競技会場の 最寄り駅周辺およびライブサイト |
活動内容 | 観客サービス、 競技運営サポート、 メディアサポートなど | 国内外からの旅行者に対する観光・ 交通案内、競技会場までの観客の 案内およびライブサイト運営のサポート |
活動日数 | 10日以上 | 5日以上 |
※大会ボランティアは場合によっては10日以下になることもあります。
大会ボランティアの活動内容と応募条件
大会ボランティアは、東京オリンピック組織委員会が募集するボランティアで、活動場所は、競技会場・選手村・大会関係施設で大会運営に直接携わるボランティアです。
活動内容は、観客サービス・競技運営サポート・大会関係者の移動サポートです。
◆応募条件
- 2002年4月1日以降に生まれた方
- 東京オリンピック開催時に18歳以上であること
- 日本国籍を保有する方、または在留資格を保有される方
- 特に語学力の条件設定はなし
- 募集人数は8万人
◆応募期間:本年9月中旬~12月上旬
◆応募方法:東京オリンピック公式Webサイトのボランティアに関するページから応募
↓大会ボランティアに応募する
URL:https://tokyo2020.org/jp/special/volunteer/application/
※2018年9月中旬からサイトへ開設されますので、9月中旬になったらサイトを訪問してください。
都市ボランティアの活動内容と応募条件
東京都の都市ボランティアについて説明します。
都市ボランティアは、東京都が募集するボランティアで、活動場所は、空港・主要駅・観光地です。活動内容は、観客・観光客を案内します。
◆応募条件
- 2002年4月1日以降に生まれた方
- 東京オリンピック開催時に18歳以上であること
- 日本国籍を保有する方、または在留資格を保有される方
- 日本語による簡単な会話(意思疎通)ができる方
- 一定の語学力がある方(英検2級以上)。
- 募集人数は3万人
◆応募期間:本年9月中旬~12月上旬
◆応募方法:インターネットWebサイトから申込み
「東京ボランティアナビ」サイト内の応募ページから申込み
↓都市ボランティアに応募する
URL :http://www.city-volunteer.metro.tokyo.jp
また、FAX・郵送での申し込みも行っています。申込用紙に必要事項を記入して事務局宛に送信または郵送します。
(東京都の「オリンピック・パラリンピック準備局」HPから参照)
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オリンピックの通訳業務に持っていた方がいい資格とTOEICの点数
通訳案内業務には「通訳案内士」資格を持っていると有利です。
「通訳案内士」は観光庁長官が実施する国家資格です。
オリンピックに限らず、外国人観光客を案内するプロの観光ガイドとして多くの方が活躍しており、TOEIC840点以上を保有しないと取得できない資格です。
競技会場・選手村・大会関連施設・メディアセンターで案内係を担当するボランティアは、英会話のスキルは必要だと言われています。
参考ですが、本年2月に開催した「東京マラソン」で応募した案内係の語学力条件は、英検準1級・TOEIC730点以上・TOEFL550点以上でした。
通常業務には英語は不要!?
ボランティアで通訳案内をする係りは、英語力が必要なことがわかりましたが、通常業務についてはどうなのか見ていきましょう。
まず、募集要項から、積極的に応募して欲しいボランテッィアについてあげてみます。
◆大会ボランティアに積極的に応募して欲しい方
- 大会ボランティアとして活躍する熱意を持つ方
- オリンピック・パラリンピック競技の基本的な知識がある方
- スポーツボランティア経験がある方
- 語学力のスキルを活かしたい方
◆都市ボランティアに積極的に応募して欲しい方
- 都市ボランティアとして活躍する熱意を持つ方
- ボランティア経験がある方
- 東京観光・交通案内の知識・スキルを活かしたい方
- 防災・防犯・救命救急等の知識を活かしたい方
- 語学力のスキルを活かしたい方
以上のように、案内係は日常英会話を使いこなせるレベルを求めていることがわかります。
東京都が3万人募集する都市ボランティアの応募条件には、「英検2級以上の語学力」が必要と記載されています。
また、東京オリンピック組織委員会が8万人募集する大会ボランティアには、語学力の条件は未発表ですが、TOEIC500点は必要なようです。
ですが、ボランティア業務の中には、直接観客・観光客と接遇しない業務も多くありますので、実務的な語学力のスキルは、ボランティア活動の中で必須な条件ではありません。
英検2級を持っていない、あるいは英会話に不安がある方は、英語力の条件が記載されていない「大会ボランティア」へ応募されてみてはいかがでしょうか。
英検やTOEICの資格を持っていなくても、英会話ができればいいわけですから、英語で訊ねられた時に答えることができるレベルであれば、思い切って応募していいと思います。
応募のあとに面談や研修がありますので、開催までに英会話学校へ通う、資格を取るなど積極的な姿勢を見せて面談の時にアピールしましょう!
道案内の英会話であれば、使う会話も絞れるため、それらを覚えて使い回しすれば通じますので、開催までにマスターできるはずです。
当日のボラティア活動をするまでまだ時間もありますので、独学で英語力をつけることは可能です。
目標があると修得も早くなりますのでレベルもあがるはずです。
最近はわざわざ英会話教室へ通わなくても、オンライン英会話で充分です。
受講料も低コストですし、いい先生も揃っていますよ。
私は英語・英会話を長年勉強しているので、色々な勉強法や学校や英会話スクールへ通いました。
NHKのラジオ講座、英会話のグループレッスン、プライベートレッスン、英検のための資格スクール、等々です。
まず、英語を学ぶ大切なコツは、目的をはっきりさせることですが、オリンピックのボランティアの場合、英語を学ぶ目的がはっきりとしています。
ボランティアで使いそうな英会話を学ぶだけです。
また、日本人でなくネイティブから学ぶことをおすすめします。
ボランティアでは外国人と対面してお話しすることになるからです。
日頃から外国の方とお話しすることで緊張しなくてすみます。
英会話スクールに通うとなると、移動時間、コスト面がかかりますが、オンライン英会話なら、自宅にいながら英会話を修得できますし、対面ですがネットを通してなので実際の対面より恥ずかしくありません。
間違っても、ラジオ英会話で学ぼうと思ったり、TOEICの勉強をしようなどと思わないでくださいね。
ボランティアで使わないと思われる、海外旅行先のレストランでメニューを頼むときの英会話などを学んでも使う機会がありませんので、ボランティアで使いそうな英会話を学んでください。
また、全世界から訪日される観客は英語圏だけではありません。
中国語・韓国語・ロシア語・フランス語・ドイツ語・スペイン語など各国に対応できる人材が必要です。
最後に
東京都が募集する都市ボランティアの条件には、英検2級以上と記載がありますが、東京オリンピック組織委員会の大会ボランディアの募集要項には、語学力の記載はありません。
- 都市ボランティア:英検2級以上
- 大会ボランティア:語学力の記載なし
英検やTOEICの資格を持っていなくても、多少英会話ができるのであれば応募してみてはいかがでしょうか。
英語力に不安があれば、英語レベルの条件の記載がない、東京オリンピック組織委員会の方へ応募してみましょう。
直接観光客と接しない活動もありますので、ボランティアとして参加したいのであれば、このようなチャンスは二度とないと思いますので、迷うことなく応募すればいいのです。
応募の後で面談がありますので、参加したいことをアピールしましょう。
応募要項を見比べると、大会ボランティアの方が募集人数も多いためか英語力のハードルが低いように思いました。
競技場では、その競技に対する用語を理解して外国語で対応するスキルも必要となりますので、語学力に加えて好きな競技があれば活かすこともできます。
東京オリンピック組織委員会は、東京オリンピック・東京パラリンピック開催期間中に4,000万人の訪日客数を目標にしています。
現在の東京都民の人口が5倍に急増することになり、宿泊施設、公共交通機関、インフラがオーバーフローする懸念があります。
「おもてなしの心」で東京招致したのですから、ボランティアをはじめ訪日外国人の皆さんには丁寧に接するようにしたいものですね。
高い語学力がなくても「おもてなし」の心は伝わりますから、とは言っても、世界中の様々な方とお話しできるチャンスです。
オリンピックが始まるまでに、可能な限り英語力を磨いておきたいものです。